父について考える
私の父は牧師です。あと幼稚園の園長先生です。
小さい頃から、父の仕事の表面は見てきたけれど、本質がどんなものかは考えたこともなかったなと思っていて、改めて考えたらすごい仕事だなと思いました。
おそらく極められている能力はこの3つ。
・トーク力
・キャラクター性
・リーダー性
・トーク力
牧師は毎週人前に立ってお話をします。園長先生でも頻繁に人前に立つことでしょう。
お話がつまらないと、人は聞いてくれません。
牧師によって、話し方は様々。こう話せば良いという正解はないようです。
父の話し方は淡々としていますが、だからこそ、聞き手が悲しいポイントや面白いポイントへ入り込みやすいのです。
昨今、プレゼン力や構成力の本が普及していますが、父曰く「オリジナリティに欠けているなぁ」とのこと。
「本を読めば無難を知れるけれど、無難な基準を一度作る必要はないんだよ。人が話を聞いてくれればそれで良い。言いたいことが伝われば良い。」
「仏教もキリストも最初は口伝だからね。パパの頃は、ノウハウを残そうという時代でもなかったし、本を出すのも大変だった。便利になると、反面失うものもある。文字よりも生の話を聞いて欲しい。ライブ感を感じて真似して欲しい。」ですって。
・キャラクター性
父はよく人に覚えられます。同じ店に2回目に行ったら覚えられていた、なんてことも珍しくないくらいには。
ヤクザみたいな見た目の濃い顔だけど、飲食のマナーが汚くない、とか。
見た目の割にガハガハ話さない、とか。
でも、店員とコミュニケーションは適度に取る、とか。
一見こわそう!という、ネガティブイメージで印象付けて「あ、めっちゃ良い人やん」というギャップで、より印象に残るダブルパンチなのでしょう。
・リーダー性
お母さんたち、先生たち、子供たち、教会員の人たち、地域の人たち。
ありとあらゆる年齢層・性別の人たちから、信頼・親しみを覚えてもらえないと仕事にならない。最終判断なんて任せてもらえない。
場数を踏んできた結果でもあるけれど、父の、誰の味方にも敵にもならない姿勢は、傾聴の姿勢がすごすぎて、当人たちが話しているうちに調和を生むのでしょう。
私が今欲しいと思っている能力たちなので、それを養ってきた父を結構尊敬しているのです。
おしまい。